日本初のホテル併設型競技場

電話投票番号61#

INTERVIEW前検インタビュー

2022.11.18

11月18日 KEIRINHOTEL 10杯(FⅡナイター)

今節のレース展望

来期、S級に復帰する熊本の緒方将樹が優勝に一番近いと言える。競輪界のサラブレッドで父親は解説で活躍している緒方浩一さん。名選手であったし、その遺伝子を継いでいる。今期は、ここまで4度の優勝。しかも決勝を一度も外していない。当地も7月開催で走り、ラインで決める準優勝だった。差されたのも同県の曽我圭佑で自力選手であり、本人も納得していた。やや線が細く、もっと体に厚みが出てくれば、S級トップ選手として十分活躍出来る。番手は九州で中園和剛。競走得点も90点に戻して、10月開催の武雄で優勝している。

遠征で目に光るのは鈴木薫、浅見隼、高橋広大の埼京勢。鈴木薫は落車明けだが来期はS級に復帰。中団に固執して落車したが、自信を持って車を下げた方が良かった。今期は前橋、函館、名古屋で3回優勝している。浅見隼は自力でなく番手のレースだったが、名古屋で優勝。高橋広大は追い込み選手だが確実に確定板に載っている。

中四国ラインは佐伯辰哉が主力級。降級直後の防府で失格したが、別府、佐世保と2場所連続で完全優勝。7連勝まで行ったが岸和田の準決で失敗。気持ちが切れた訳ではないが、その後はやや精彩を欠いている。来期のS級復帰に向けて、どこまで気持ちを立て直せるかだ。

地元勢は選手会の副支部長である戸伏康夫が実力上位。今節は佐伯辰哉の番手を基本に、中四国で徹底先行の外田心斗や売り出し中の渡口勝成も使える。3日間、目標に事は欠かないし、四国の若手先行選手、番手が佐伯辰哉、3番手が戸伏康夫で2段駆け、3段駆けの布陣も見込める。

チャレンジは121期の新人同士の優勝争い。埼玉の近藤圭佑、地元の合地登汰と矢部駿人、香川の眞砂英作、熊本の河崎正晴と5名が参戦。デビューして優勝しているのは河崎正晴しかいないが、圧倒的に力の抜けた選手は不在。ラインの総合力では山口龍也に追い込みに力があり、河崎正晴との九州ラインが人気になる。

A級特選インタビュー

中園和剛=九州で連係実績のある緒方君へ。2場所前の武雄ミッドの優勝は地元の佐々木翔一君のおかげ。実質、高知の篠原龍馬さんの先行1車みたいな番組だったが、病み上がりでも佐々木君が駆けてくれた。実は、今回、出雲大社に寄り、参拝してきた。荘厳な気持ちになったし、来年は前厄なので。

佐伯辰哉=中四国ラインで初連係の外田君の番手へ。僕は前でも後ろでも、どっちでも良かった。この並びは外田君の意向かな。S級に特進していれば来月の地元広島記念に呼ばれたかもしれない。そこは自分で流れを殺してしまった。もっとS級特進を意識して走れば良かった。長い距離は厳しいけど、状態に関しては問題ない。

浅見隼=同期鈴木君の番手へ。2場所前の名古屋モーニングの優勝は同期幸田望夢君のおかげ。今回、彼のお父さんもいるし、お礼を言わないと。人の後ろは良いけど、前回は自分でやったらダメだった。まだまだですね。

外田心斗=中4日の追加だけど、前回の高松は重たくてダメだった。来期はS級に復帰するし、頑張らないと。佐伯さんは年上だけど仲が良いので、辰哉と呼んでいます(笑)。同じ近藤龍徳軍団なので。来る前も電話があり、釣りのビデオを持って来てと連絡があった。

鈴木薫=玉野を走るのは3度目。前回は岡部芳幸さんと位置取りをやって落車。1本休んだけど、むち打ち程度だった。来期はS級に戻るし、こう言うレースもやって行かないと。勝負しての結果だしずる引きばかりではダメだと思うので。ここは同期浅見さんの前で自力勝負。

飯尾主税=自分で何かやれる脚なんてない。どっちが前でも東京コンビの後ろへ。ギリギリ、特選に乗れたしラッキーな気持ち。

緒方将樹=玉野は2度目で7月に走り準優勝だった。ラインで決める事が出来たし、3日間、悪い走りではなかった。前回の高松は微差負けての準優勝。普通に力負けで悔しい思いをした。今回は後輩で売り出し中の東矢君がいて楽しみ。準決は別だと思うが、優勝出来そうですね。

地元選手チェック

チャレンジの1レースは地元の野見泰要が先行力を活かせるかが問題。「新人の矢部君と一緒が良いと思ったけど、甘くはなかったですね。それなら普段通り、自力でやります。オールドルーキーの近藤君はメキメキと力を付けている。74点の選手ではないし、手強い相手です」。番手を回るのは岡崎哲昌。「点数的に厳しくなっているけど、最後の最後まで一生懸命走りたい。体調は悪くないし、少しでも野見君を援護したいですね」。

デビュー直後は先行1車でも勝てなかった合地登汰だが、やっとレースに慣れてきた。「まだデビューしてから、玉野の負け戦の1勝しかない。それでも、少しずつ脚はアップしていると思う。捲りの決まり手しかないし、やはり逃げ切りの1着も欲しい。山口さんは何でも出来て競走センスがあるし負けない様に走りたい」。

4レースは新鋭の矢部駿人が人気に応える。「今回が地元デビュー戦で友達が応援に来るかも。赤磐市と言うところに住んでいて、車で1時間ちょっと掛かる。バンクに入るのは週に1回ぐらい。あとは、一人で練習をやっている。同期合地君も同じ、片山智晴一門。2人で決勝に乗れる様に、気持ちを入れて。2度の準優勝が最高の成績だけど、2場所前ぐらいから少し自信が出て来た」。御大の谷尾佳昭は「今回は予備からの急遽、正規に繰り上がり。丹波福道君が欠場になって、慌てて準備して来た。家でゴロゴロしていたら、連絡があって…。まあ、この年になると調整とか気持ちとか関係ないから。とにかく矢部君の仕掛けに離れない事を心掛けて」。

6レースは野上竜太在本直樹がマークして、自力、自力の連係になる。先頭を任せられた野上竜太は「今回は予備からの繰り上がりで、連絡を受けたのは今日の午前中。地元を走れるだけ嬉しいですよ。実は前回の静岡の予選で渡辺さんには、こてんぱんにやられた(苦笑)。今回は逆で自分が地元になるし、やっつけたいですね。腰痛で、ここまで成績を落としたけど、僕としては、これからだと思っています」。在本直樹は「野上君がいるなら喜んで。1着を取らせてもらった事もありますよ。成績は別として主導権を取るスタイルを崩していない。1本、家事都合で休んだけど、体調は問題ない」。

7レースは多田晃紀が逃げ切れるメンバー構成だ。「良い時に比べると、確かに落ちている。今回から自転車を戻すので、それもプラスに働ければ。八嶋君と谷口君も先行のスタイルだし、負けない様に走りたい」。

予選のメインの11レースは人気の渡口勝成の番手を戸伏康夫が回る。戸伏康夫は内藤敦支部長をサポートする、岡山支部の副支部長だ。2場所前の宇都宮予選では渡口勝成の仕掛けを差し切っている。そして200勝のリーチも掛かり「本当は、地元の前に決めるつもりだったけどね。最近のヒットは10場所前の大宮の優勝。まずは、しっかり追走してワンツーを決めたい」。

新人選手紹介

近藤圭佑は36歳のオールドルーキーで、冬期種目のスケルトンの出身。「ボブスレーとも違うし、スケルトンはマイナー競技。大きな怪我はないけど、ハムストングは痛めて肉離れが多い。デビューして3回落車したけど、前回の玉野も落車している。それが連続落車だったので、肉体もそうだがメンタルもやられた。デビューして決勝3着が最高。ただ、少しずつレースに慣れてきたので勝ち上がりの段階は自分の走りが出来ている」。

真砂栄作の師匠は香川雄介。前回の豊橋の準決で後ろを何度も見るレースをやり、帰ってからメチャクチャ怒られたとか。「普段はレースに関して厳しい事を言わない師匠だけど、こっぴどく怒られた(笑)。前が駆けているのに、中団にいて、何度も後ろを確認する走りは絶対やってはいけないと。その師匠は地元で落車して鎖骨骨折。しかも肺に肋骨が刺さったみたい。すぐに手術をして、競輪祭を目指しているみたいだけど、練習で簡単に捲られた。強い精神力もあるし、強靱な肉体も素晴らしいと思う。早く師匠と一緒に走るのが目標です」。

河崎正晴は前回、初優勝を決めた。引退した父親も元選手で2世選手。「優勝した事は嬉しいけど人の後ろだったので。今度は自力で勝ちたいですね。父親はレースが終わるとアドバイスをくれるけど、車誘導とかはしてもらっていない。同期に負けない様に一生懸命走りたい」。

東矢圭吾は1、2班戦の優勝候補の一人だ。「特別昇班して2度優勝したけど、まだ完全優勝がない。だからS級特進を意識していない。勝ちパターンは捲りが多いけど、無理矢理駆けるのも。そこはアニキにアドバイスを貰いながら考えながら走っている。意識しているのはセオリー通りと言うか、きっちり仕掛ける事。同期でS級で走っているのは早期卒業の二人だけ。福岡の後藤大輝が失敗したので。先を見据えながらも勝つ走りをやっていきたい」。