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INTERVIEW前検インタビュー

2023.04.26

4月28日 TIPSTAR杯(FⅡ・ミッドナイト)

◆今節のレース展望

 ピスト6では大活躍していた中島詩音だが、競輪でも本格化してきた。1月開催の小田原、2月開催の京王閣、3月開催の高知、そして前回の前橋と4場所続けて優勝。勢いのある今なら、S級でも予選、準決勝は軽く突破するだろう。長い距離をもがくのも得意だし完全優勝を目指す。関東の点数を持っているマーカーが斡旋されていなかったが、星野辰也が追加で入り、番手でアシストする。あのイケメンの坂井洋の師匠でもある。

 地元は坂本修一がメインで支部長の内藤敦も追加で参戦。坂本修一は正月開催で優勝。真鍋智寛を使って楽勝だったが、初日特選は自分で捲っている。その後は優勝が1回しかないが、全て決勝に進出と抜群の安定感。中四国の自力選手が手薄で自らレースを組み立てるが、流れで中島詩音の番手回りがあるかも。

 九州は佐々木翔一が欠場して好永晃が特選シード組み。S級では苦戦していたが、A級戦なら勝負になっている。

 予選では追加参戦の熊本の谷口力也の成績が目立ち、他に地元からは弟子が多く名伯楽になりつつある片山智晴、三宅旬が参戦する。

 チャレンジは当然121期生の争い。大分の甲斐俊祐、徳島の小川将二郎、地元岡山の矢部駿人、埼玉の近藤圭佑、茨城の小坂丈。競走得点のトップは甲斐俊祐だが優勝回数が少ない。ここに来て急上昇中なのが2場所連続で優勝している小坂丈。アイスホッケーからの転身組だし、レース慣れしてきた。近藤圭祐も冬期競技のスケルトン出身で変わり種。地元矢部駿人も2場所前に優勝している。代謝制度にピンチの川本隆史、先行職人の増成富夫は地元で8割増しだ。

◆A級特選インタビュー

中島詩音

これでピスト6を走りながら5場所連続して優勝中。前回の前橋ミッドの優勝は2度目の番手戦だったが、前が強くて勝つ事が出来た。玉野は初めてなので、これから指定練習で感触を確かめたい。来期はS級だけど、ピスト6も走るつもり。僕にとっては良い練習になっているので。油断せず、しっかり自力で駆けたい。 

坂本修一

自在に。正月開催の地元戦は完全優勝出来たけど、今回は、あの時の出来ではない。練習でも、少し落ちていた。どれぐらい上積みがあるか分からないけど、気持ちだけでは勝てないので。大きな事は言えないし、3着以内のレースを意識して走りたい。 

星野辰也

初連係の中島君へ。かなり追い込んで練習をやっていた時に追加の連絡を受けた。体は筋肉痛だけど、ミッドだし、昼間1日、休めるので。弟子の坂井洋は落車したけど、元気にしていましたよ。SNSでアップしたけど、坂井ネタは反響がありますね。だけど、Twitterの上げ方とか難しいし、間違わない使い方は意識しています。 

好永 晃

九州で佐藤さんに任せる。前回、先行してもらっているので…。今回は、長崎の井寺君の車に乗ってやってきた。帰りは、佐藤さんも拾って行く感じになりそう(笑)。好きに走ってもらうし、佐藤さんの感性で。 

片山智晴

地元同士の坂本君へ。ジカで後ろを回るのは初めてかな。徳島の久田君がS級に特進したレースで連係しているけど、あの時は、久田君、坂本さん、自分、石丸寛之さんの並びだった。今回は弟子の矢部君もいるし頑張ってもらわないと。前節は同じく弟子の昼田君が優勝しているので。 

佐藤健太

自力、自在に。作戦的には流れで中島君の後ろを狙うか、ジカで中島君の後ろで勝負するかの二択だった。とにかく、前々から強気に何でもやりたい。この点数で特選シードとはラッキーですね。 

望月裕一郎

87点しかないし、特選に乗れるとは思っていなかった。8番手だと思っていたし、凄く嬉しいですよ。だけど、ちょっと点数を落としすぎた。中島君とは初連係になるけど、3番手を固めたい。

◆地元選手チェック

◆矢部駿人

「師匠の片山智晴さんからは、自由にやって良いと言われ、任せられている。バンクまで遠いので、基本的に一人で練習。室内トレをメインにウエイトや、最近は街道練習も取り入れた。バンクに入りたい時は同期の昼田君や松下さんを誘っている。玉野を走るのは2度目で、前回は1着、1着、決勝3着だった。今回は、それより上を目指して」。

※強い同期が上で戦うようになり成績はアップ中。まずは、A級特選シードの選手にはなりたい。優しそうで真面目な雰囲気がある。

◆川本隆史

「一生懸命頑張るとしか言えないし、70点とか、深く気にしていない。選手生命のピンチを少し脱出したけど、やれる事を精一杯やるだけ。矢部君とは初連係です」。

※代謝制度に引っ掛かるぐらいの位置にいたが、ここに来て、ジャンプアップ。代謝を免れるどころか、70点も見えてきた。そうすれば、一度、リセットされて、最低でも1年半の選手生活が保証される。69.86だし、かなりの勝負駆けだ。

◆増成富夫

「600勝も決めて、来期は2班に復帰する。だから、少し緩んでいて、たるんでいるよ(笑)。俺は負けても当たり前だけど、向こう(小坂丈)は勝手当たり前だからね。そこに、心のスキがあれば良いな。来期の2班は勝てないと思うし、チャレンジの一般戦で、勝ち星を増やしておこうかな」。

※白血病を克服して、元気一杯に走っている。通算勝ち星は615勝。そのほとんどが、先行の決まり手だし、若手のお手本だ。先行の神様と言える存在。

◆内藤敦史

「支部員が協力的だし頑張ってくれるから、支部長としての公務が成り立っている。本当に、有り難いですよ。だけど、走る時は、ひとりの選手として頑張るだけ。向日町ミッドが終わり中2日の追加。だけど疲れはないし決勝に乗れる様に頑張りたい」。

※選手会の支部長で人望ある人格者のひとり。そうでないと、個性強い、競輪選手は付いて行かない。長らくS級でも走り、熱い走りが売りだった。突っ込み脚と、番手の仕事は見事だ。

◆三宅旬

「3番手だし必ずしも有利とは言えない。3着権利で4着は2人しか準決に行けない。点数的に3着でないと準決に行けない。前は年上だけど、同期で気心の知れている内藤さん。自分のコースもしっかり作ってくれると思いますよ」。

※このレースで言えば、本線の3番手回り。ただ、1車食うレースを何度も見てきた。脚は衰えていないし連日狙い目となる。

◆坂本修一

「う~ん、ちょっと落ちているね。練習でも良くなかったし、そこまで強気な材料はないよ。正月開催は真鍋智寛君のおかげで優勝する事が出来たけど、あの時の出来ではないので。初日は単騎で7番手から頭まで行ったけど、今回は位置も取りに行かないと」。

※地元の大将格。ただ、ド本命の中島詩音がいて厳しいシリーズ。中四国のもっと強い自力選手を斡旋してあげた方が良かったかも。

◆片山智晴 

「師匠の柏野智典さんが弟子を取らなくなったので、自分が面倒を見る事になった。今は4人の弟子(橋本凌汰・矢部駿人・合地登汰・昼田達哉)がいてアマチュアも3人指導している。昼田君の妹が選手を目指しているので、初の女の子の弟子も取った。女子は繊細だし、厳しく接しながらも、色々と気を遣っている。昼田君も前節優勝したし、今度は矢部君にも勝って欲しいね。師弟のアベック優勝が理想だけど、そこまでは厳しいかも」。

※弟子も多く名伯楽になりつつある。自力は出なくなったが成績は安定。人に優しいイメージがあるし、良い師匠になり、片山軍団が競輪界を圧巻する日が来るかもしれない。