
INTERVIEW前検インタビュー
2025.07.13
7月18日・サマーナイトフェスティバル(G2)
◆今節のレース展望!

古性優作は今一番頼りになる男。脚力はもちろん、天才的な身のこなし、絶対に諦めない勝負根性はまさに天下一品で、ここまでバランスのとれた選手は過去にいなかったのではないか。伊東のウィナーズカップを優勝するなど今年も変わらぬ強さを見せており、今回のシリーズも超一流のタテとヨコでVロードを突っ走る。
古性の良き理解者でライバルと言えば脇本雄太。古性が「最強」なら脇本は「最速」で、シンプルに前に踏むレースをさせたら誰も差せないし迫れない。ただ、持病の腰痛が悪化して、前検日に欠場になったのは残念。今年に入り覚醒した寺崎浩平も「行くだけ」の選手は卒業して、狙いにいっても許される立場になった。他にも、常勝・近畿軍団を支える若手や、ベテランのマーカーも元気いっぱい。
5月に行われた日本選手権競輪は眞杉匠の捲りを吉田拓矢が交わして「ダービー王」に輝いた。脇本と古性ほどではないが、この2人も大きい舞台でしっかり結果を出しており、昨年のこの大会(松戸)では眞杉優勝、吉田準優勝のワンツーを決めている。平原康多氏が抜けた穴を埋めるのも今後の大きな課題と言えそうで、他の若手と協力しながら関東の新たな歴史を作っていく。
来ると分かっているのに止められない。郡司浩平の捲りは他の選手とはあきらかに精度が違い、瞬く間に前団を飲み込んでしまうスピードは圧巻。深谷知広との黄金タッグもすっかりお馴染みとなり、岩本俊介を含めたSSトリオからも目が離せない。
中国地区のビッグレースということで清水裕友や松浦悠士も意地を見せたい。地元の岡山からも太田海也、取鳥雄吾、河端朋之といったスピードタイプが勢揃いで、今回ばかりは内容よりも結果優先の走りをしてもいいだろう。また中四国のくくりでは犬伏湧也や石原颯といった強力な機動型も援軍となり、数の力と結束力で他地区の猛者達を迎え撃つ。
ド先行ゆえに大きい着も目立つが、新山響平の潔いスタイルは競輪の魅力をダイレクトに伝える貴重なもの。北日本の先頭でライン貢献の走りをしてきたレースは数知れず、新山に穫ってほしいと願うファンは非常に多い。この「特急列車」の番手を回るのは名コンビの佐藤慎太郎をはじめ成田和也、守澤太志。ナショナルチームに在籍する中野慎詞や小原佑太は偉大な先輩たちの前でがむしゃらに頑張る。また今回から大レース復帰の新田祐大も気になる1車で、まだまだやれるぞ!と存在感をアピールする。
地区的にどうしても劣勢ムードの中部勢だが、浅井康太と山口拳矢のツートップはずっと元気。伏兵以上の存在として赤丸要チェックだ。九州地区ではエース格の山田庸平が高いレベルで安定していて、4月と5月に行われた地元の武雄G3を立て続けに優勝。特攻隊長の嘉永泰斗と連係しながら結果を出していく。
◆S級特選10レースインタビュー!

新山響平 前回の弥彦は腰痛明けで練習ができずに自信が無かったけど思いのほか走れた。新しいフレームを試してみたら割と進みはよかったし今回も使います。ただ決勝は早めに仕掛けられたら良かったですね。ちょっとタイミングが遅かった。今回は自信があるわけじゃないけど前回よりはいいと思います。単騎で自力。
松浦悠士 小松島記念で気になるところがあったしその辺を映像でチェックして弥彦を走りました。体の使い方とかをみて良くなっているとは思う。ただ、脚は動いてもレースで迷惑をかけてはダメですね…。今回は脚力向上よりは、フォームや体の使い方を意識したい。中国地区のビッグなので思い入れはあるし気持ちも入っています。松本君。
吉田拓矢 玉野は優勝した3月の記念以来。1本欠場しましたが練習はできた。特に変わったことはしていないし直前の感じは変わらない。自力。
山口拳矢 体調面は問題ないけど、自転車がしっくりこなくて練習でその辺を突き詰めている感じ。感じとしては前回の川崎よりは良くなっていると思います。志田君。
坂井洋 前回は高松宮記念杯で落車したときのフレームで走った。体調が良く無いけどたまたま決勝に乗れたし結果は悪くなかったのが救いですね。ただ、今回は違うフレームを使います。練習では乗ってセッティングも出してきたものです。吉田君。
芦澤辰弘 子どもが生まれたりして家事都合でちょっと休んでいました。練習は自分のやれる時間を使ってトレーニングをしてきた。ここを目標というよりは今期を戦える力を作るという意味で基礎トレーニングを。苦しいレースを走ればこの先も戦えると思う。関東3番手。
松本貴治 6月久留米記念の落車で骨折は無かったけど肋骨を痛めた。あとは打撲も響いていて痛みが残っている。調子? あんまりです。ケア中心。自力。
志田龍星 自力で。高松宮杯を走り力不足を感じたし、前回の松阪FⅠはまた1から頑張りました。前回より脚の感じはいいと思います。自力。
岩本俊介 前回の小松島記念は反応ができた。久しぶりに上がってきたな、と感じますね。直前も体調を崩すことなく多めにできたし頑張ります。単騎。
◆S級特選11レースインタビュー!

清水裕友 高松宮記念杯は初日から状態がよく走れたけど、最後は力尽きた。周りとの脚力の差も感じました。直前は追い込んでやれた。1月に体調を崩したので後半戦が勝負と思っていたし上げていきたい。犬伏君。
武藤龍生 立川からチェーンの長さを試しています。あとはフレームも。レースではいいかなという手応えがあるのでもう少し煮詰めたい。眞杉へ。
和田真久留 持ち場の自力で動いたときは勝負ができていますが、追込の技術を磨かないと厳しいと思った。直前は雨が降ったので室内練習がメイン。調子は前回の宇都宮と一緒で平行線です。普通。松井へ。
山田英明 日程が長いGⅠになると調子を維持できていない感じがあります。レースでも力を発揮できないし難しいですね。清水や犬伏の世話になっているので中四国の後ろへ。
松井宏佑 小松島記念は全体的に調子は悪くなかった。準決で負けてしまったが最終日は気持ちを切らさず走り岩本俊介さんと決めることができた。納得いかない所もありましたが収穫もありました。自力。
纐纈洸翔 ダービーで落車して車輪がからみ左足の親指を痛めた。ペダリングに影響がありますね。力んで左足で踏み込んだりと感覚が悪い。前期の中盤からヨコの動きをするようになり戦法の幅が広かったけど、波があるので安定していない。その辺の波を少なくできれば点数も上がると思うしモチベーションも上がるので頑張りたい。単騎。
犬伏湧也 小松島記念は悔しさが残った。自分も含め地元から優勝者を出したかったですね…。今回は計画的に練習ができたし戦える状態にはあります。ライン3車だし清水さんが内枠なのでいい感じで走れれば。玉野は相性もいいです。自力。
山崎芳仁 弥彦記念は調子は悪くなかったけど1着が欲しかった。今回は日にちも無かったのでマッサージや調整程度。息子がオールスターに出る? 少し早いかなって思いますよね(笑)。眞杉のラインもいいけど、これまでの連係実績もあるし神奈川の後ろへ。
真杉匠 高松宮杯は1番大事なところでやらかしてしまったし気持ちの弱さが出た。体調は普通だっただけにそう思いました。前期は優勝もできなかったし課題はある。今回の前には違反訓練に行ってきた。大会連覇? 毎回、取るつもりで来ていますので。自力。
◆S級特選12レースインタビュー!

1番車 古性優作
小松島記念は状態が悪すぎて4日間しんどかった。足りないものも多いけど、修正できることも多い。中10日はフレームを元に戻してみたり、乗り方を考えてみたり。寺崎君の番手で。
2番車 山田庸平
この調子ではレースにならないと思っていたけど、少し兆しが見えてきた。小松島記念は体調不良で欠場したけど、治ってからは練習できたので。自分が前でやれることを。
3番車 郡司浩平
前半戦はやりたいこともできたけど、要所要所の判断では甘さがあったりも。弥彦記念はレースが詰まっていたので、体の状態を考慮して欠場。初日は自力。来る前から自力でやりたい気持ちがあったので。
4番車 三谷竜生
弥彦記念では決勝に乗れたけど、今一つな印象。引き続き体調は悪くないし、今回はもっと戦えると思う。ここは近畿3番手。
5番車 佐々木悠葵
弥彦は体調も良く、体も動いていたと思う。中3日しかないし、走ってみてですね。自力で頑張ります。
6番車 伊藤颯馬
落車が多くて体も心もダメージが…。状態が良くない中でも練習はやってきたので。特選に乗ることができたし、頑張りたい。庸平さんの後ろは初めてです。
7番車 寺崎浩平
以前よりも航続距離が伸びていると思う。後半戦は主導権を取れるレースをもっとしていけたら。(脇本雄太が欠場で特選に繰り上がり)もらったチャンスを活かしたいですね。自力。
8番車 鈴木竜士
ダービー後の3場所は試したいこともあって、やってみたけど噛み合わなかった。前回からは家の都合や体調を崩したのもあり、2週間ぐらい練習ができず。それでも残りの日数で戦える状態には持ってこられたと思う。悠葵の後ろ。
9番車 深谷知広
前回は状態も良くなく自信もなかったけど、優勝することができた。変わらず調子自体は良くない。特選のアドバンテージをしっかり活かしたい。郡司に任せる。
◆地元選手インタビュー!

今年3月の地元記念の決勝。中四国の選手が多く乗り、大親友の清水裕友と別線になってしまった。並びは犬伏湧也、清水裕友、松浦悠士。そして取鳥雄吾、岩津裕介、柏野智典。優勝した吉田拓矢、山田庸平、南修二は、それぞれ単騎。小松島記念の決勝は、地元勢が5人乗ったが空中分解。競輪は不思議なもので、数が多すぎても上手くいかない。取鳥雄吾は「裕友と一緒に連係したいから、1年間、苦しい練習が出来ている。あれは犬伏とガチンコの踏み合いになったけど、自分の我が儘だけでは並びは決められない。岩津さんと柏野さんの気持ちもあったからね。G1とかは夢のまた夢だけど、記念ぐらいは、早く獲りたいな」。直前は弥彦記念から、出稽古先の防府に戻り「土砂降りの中を久保田を呼び出して練習してきた。あいつが断ると思ったら、『ゆうご兄の為なら付き合いますよ』と言われ(笑)」。現状、勝負強いとは言えず、肝心な所でポカが多い。それは、中川誠一郎選手のコラムにも書かれており、同じ匂いがして、同じ空気感があるそうだ。だけど、松浦悠士を筆頭に、清水裕友、犬伏湧也、太田海也と、みんなが“男にしたい!”の気持ちを持っている。こんな幸せな選手はいないし、早く結果を出して欲しい。

サマーナイト風に、このサングランスでお願いします。以前に比べるとレベルアップしているけど、自分の感触より、成績の方が上回っている感じです。それが高松宮記念杯の優出、久留米記念の準優勝。地元でファンの声援も多いと思うし、それに応えられる走りをやりたいですね。まずは、一戦、一戦、集中して走りたい。

末脚の甘さは、いつもの事だけど、脚を使わず主導権を取れれば、粘れる様になっている。だから、踏み合いは避けたいし、自分のタイミングで仕掛けたい。地元の大舞台だけど、プレッシャーは感じていない。

地元の大レースの前に落車失格は余計でした。ただ、幸い、大きな怪我にならなかったので。雄吾とは相性が良いし、走り方も分かっている。今はコースを見極める余裕も出て来たけど、まずは、踏み出しで離れない様に。

37歳になりG2は初出場。これも地道にやってきた成果だし、今がキャリアハイの成績ですね。脚力はないけど、地元だし少しでも上に勝ち上がりたい。

自分が自力でやっている時も、あれこれ言われるのは好きでなかった。だから、河端さんには好きに走ってもらう。最近の連係は河端さん、岩津さん、自分の並びだったけど、離れてしまった。自分もダッシュは自信があるけど、それ以上に強烈。ここ2日、3日の練習で、急激に仕上がった感覚がある。